代表質問、委員会質疑、特別委員会、閉会とめまぐるしかった

ちょっと、落ち着いたので、ブログを執筆します。

兎に角、めまぐるしい、この一ヶ月でした。

お盆前になってしまってしまいましたが、はじめて代表質問にも立たせて、いただき、その後の補正予算委員会で、各委員の皆さんに刈り取りをしていただきました。

逐次、Twitterでは、報告をさせていただきましたが、改めて、状況を報告させていただきます。

 

今回の市会のポイントは、やはり、市政改革プログラムへの対応でした。

今後の持続可能な大阪市を再構築するために銘打たれた改革は、痛みを伴う情け容赦のないものでしたから、そのままと言うわけには、いきません。

 

パブリックコメントも前代未聞の数を寄せていただくなかで、様々な方とお会いし、議論を重ねてきました。

 

敬老パス、クレオ大阪、生涯学習センター、市民交流センター、文楽、大阪市音、大フィル、様々な補助金の見直し、新婚家賃補助の廃止、高齢者への水道料金減免廃止、施設の統廃合、経営統合、赤バス、地下鉄民営化。。。。。などなど。

 

一方で、あまり報道はされていませんが、これらのコスト縮減によって、新たに予算に盛り込まえたものとして、中学校給食の実施、小中学校へのエアコン設置、医療助成の中学生までの拡大、妊産婦検診14回の完全無料化など、新たな施策が盛り込まれていることも忘れてはなりません。

 

何を残し、何を廃止し、何を創造するか、時代の流れにあわせて、正しい判断をするために、各会派の議員が智慧を絞るのは、当然のことだと思うし、議会と首長が政策を出し合うことで、よりよいものを作り上げて行く過程が今回の補正予算審議の醍醐味であったと思います。

 

橋下市長との第一回目の会談を行ったときに思ったのは、議会の本来機能の回復でした。これまでの市長選挙は、自民、民主、公明の相乗りパターンで、市長と議会は緊密な関係を維持してきました。前任の平松市長から、民主単独候補であったこともあり、若干ギクシャクしましたが、官僚の立ち回りで、大阪市会の文化は変わりませんでした。

 

ところが、今回の橋下市長は、その文化をむしろ変えたかったようです。唯々諾々と予算案を採択されることを望んではいないということがはっきりしました。彼は「市長案は出しますが、市議会の議論の中で変えてもらって結構です。それが本来のあり方ですから」と。

 

確かに、議会が首長のチェック機関であることは、機能の基本中の基本ですが、それが、首長選挙を支えることにより、議会側が首長を維持する側に回ってしまうという事態が続いてきた、それが議会の文化になってしまっていたことは、本末転倒であったのだと、私も議員になって以来、思い続けてきたことだったのです。

 

それならば、大いに議論しようということで、第一回が1時間の予定が2時間。次の第二回目は、議員団会議で19名の公明会派の議員さんの本音を聞きたいということで、控え室に来ていただいて、これまた2時間の議論。その後、最終の仕上げの前にということで、幹事団を中心に2時間の議論を経て、市長の改革案となりました。まだまだ、不満なところは、議会できちんと議論させてもらうということで、代表質問、委員会質疑の流れへとなりました。

 

一番耳目を集めたのは、やはり長年大阪市民に親しまれた高齢者の無料パス。全国でも唯一完全無料で使い放題とものでしたが、財政逼迫のおり、様々な声を聞きましたし、外野もうるさかった。ある識者は、大阪市は、高齢者厚遇都市だと批判する方がいる一方で、通院や買い物に利用されている高齢者の皆さんへの福祉措置としての側面もありますから、大きな攻防戦が展開されることは、予想していました。

 

様々な、案が出る中、最初の市側の案は3案。一部負担を50%いただきたいというものメインでした。タダだったものが半額にというのは、いかがなものかということで、公明会派としても案の検討に入りました。年間80億円規模の予算措置を講じていましたから、これを改変し、さらに、ご不満が出ないようにというのは神業です。確かに、他都市と比べると破格のサービスであるわけで、若い人は勿論、高齢者の中にも、いくらなんでもタダっていうのは可笑しいという批判もあるくらい。それでも、これを楽しみにしている高齢者がおられることも事実です。かなりのジレンマ。

 

当初の公明案は、3000円の年間手数料をいただくか、30%の負担をしてもらうかという2案を提示しました。この案が盛り込まれて、市側の素案5案ができました。しかし、市長はやはり、一部負担にこだわられており「子どもでも半額を負担するのに高齢者は乗り放題は可笑しい」と。

 

最後の2時間の交渉で、膠着状態が続く中で出たのが一律料金設定の話です。私も、交通水道委員会で、パリやニューヨーク、ソウルでは、トークンなどを買って、どこまで行っても同じ値段設定になっており、観光客には便利だし、区間割などの煩雑な手間がないからコストも削減できると強調してきましたから、渡りに船でした。

 

大阪市交通局は、民営化を目指していますから、民営化になっても引き続き、高齢者サービスができる仕組みづくりが必要だったからです。後は、料金交渉。市長は「ワンコイン 100円でどうですか?」と。すかさず、うちの議員から「1区乗った場合、50%負担になって、市長の思う壺じゃないですか!」と。「同じワンコインなら穴の開いたワンコインで」と切り返しす中で、うちの案としては、手数料3000円プラス50円負担ということで、議員団会議で検討すると言い残して、白熱した議論を終えたわけです。

 

議員団会議でも、否定的な意見もありましたが、了承をとりつけ、維新会派とともに、市長に提案するという流れになりました。議論の見える化が大切で、実際に財政収支が悪化するなかで、政策の選択と集中が必要。いつまでも、このままでいいわけはありません。人口構造の変化、人口減少の現実を踏まえた上での対応が須らく必要になったとき、いつの間にか決まる政治から、今決める政治が求められているのだと思っています。

 

今回の攻防戦のなかで、新たに障害者や発達障害、高齢者に対する福祉措置。区民の身近なところで実施する福祉施策、新婚向けの住宅購入利子補給、教育ICT、公共施設を活用したエネルギー政策、クレオ大阪や生涯学習センターの実質一部存続などなど、新たな政策や市長案を押し戻した案件が生まれたという事自体が成果であったと思います。

 

9月以降は、23年度決算の委員会が始まります。そのあたりから、来年度予算に向けた攻防戦が展開されるでしょう、シャープやパナソニックなど業績悪化が進む大阪の地盤沈下を如何に復活させるか、橋下市長との智慧の比べあいは、これからも続きます。