市政改革プログラムの行方

市政改革プロジェクトチームが立ち上がり、物議を醸した削減の嵐。

その後若干の修正はあったものの、現時点では、パブリックコメントによると、圧倒的な反対にさらされている。

橋下市長の指示とはいえ、度を過ぎた財政当局の意図がよくわかる。

渡りに船というのはこういうことを言うのだろうか。

 

財務官僚というのは、国も地方も財政健全化が主目的であるから致し方ないが、最近は、その財務官僚の意図どおりに動いてしまう政治家が多すぎるのはどうしたものだろうか?その象徴が国会の消費税狂想曲といえるだろう。

 

さて、パブリックコメントを受けて、今週は、文教経済委員会、民生保健委員会が開催され、さらに突っ込んだ議論がなされる予定だ。橋下市長とは、この間、幹事団で1回、議員団で1回。それぞれ、二時間ほど、議論を戦わせてきたが、いまだ平行線。根本的な考え方の溝を埋められずにいる。

 

ともかく、パブリックコメントに寄せられた、ご意見をバックに、今後も粘り強く交渉したい。

 

敬老パス、負担3割綱引き 橋下市長「やむを得ぬ」

2012/06/09 16:10更新

 

敬老パスをめぐる攻防 

記事本文

 大阪市の70歳以上の市民が市営地下鉄・バスを無料で無制限に利用できる「敬老パス事業」の見直し作業が大詰めを迎え、橋下徹市長と、市議会第2会派で議案成否のキャスチングボートを握る公明との“攻防”が続いている。年約80億円にのぼる市の財政負担の削減を目指す橋下市長は「利用者に、3割程度の負担を求めるのはやむを得ない」との考えだが、公明は慎重姿勢を崩さない。改革案を反映させる市政改革プランの成案化と本年度本格予算編成の期限を目前に控え、ぎりぎりの調整が続く。

 敬老パス事業は、高齢化の進行とともに対象者が増え、市財政への圧迫から、制度改革が避けられない情勢となっている。同様の制度は他都市にもあるが、無料で無制限に利用できるのは大阪市だけだ。

 8日、大阪市役所の公明党市議団控室。橋下市長は、同党市議たちと直接向き合い、双方の見解をぶつけ合った。

 関係者によると、橋下市長は、市の財政負担は「(現在の半分の)約40億円が限界だ」とし、3割の利用者負担とともに、私鉄など他路線でも使える年3千円分をカードにチャージする案などを提示。対する公明側は、利用者負担は3千円に抑え、財政負担を交通局にも求める案を示した。

 

だが、公明案では依然、約60億円の財政負担が生じるほか、民営化に先立って地下鉄運賃の値下げに踏み切る方針の交通局の経営にもマイナスになるとして、市長が難色を示した。結局この日は合意に至らず、物別れに終わったという。

 「高齢者向けの税投入も重要だが、広く利用者に利便性が行き渡る料金値下げの方が優先順位は上だ。敬老パスで交通局の負担を増やすのは、民営化の悪影響にもなるのではないか」。橋下市長は、同日の会見でそう語り、公明案の受け入れは困難との考えを示した。

 市が5月に公表した市政改革プラン素案では、市側が策定した利用者負担や、利用上限を求める3案に、公明が提案した2案を追加し、計5案を提示。橋下市長の公明への配慮をのぞかせた。

 だが、制度改革に関しては、根強い反対がある。市が5月11~29日に募集した市民意見では、敬老パスに関する2634件のうち、反対が2477件(94%)を占めた。

 中には「市長選で『敬老パスは維持』としていた公約に違反している」「有料化すると(高齢者の)外出機会の抑制につながる」などといった厳しい指摘もあった。

 こうした市民の関心の高さ、批判の強さが、公明側に大胆な制度改革を躊躇(ちゅうちょ)させる要因にもなっている。

 橋下市長は「今後も議論を行う。方針はまだ決まっていない」としており、最大会派の大阪維新の会も含め、さらに協議を続ける方針だ。

 ただ、公明市議団幹部は「3割負担は市民の反発が大きい。意見をくみ取って再考してもらいたい」と譲らない構えも示す。

 一致点が見いだせず、仮に市長提出議案に公明が反対して否決されれば、これまで良好な関係を築いてきた橋下市長と公明の関係に、ひびが入ることにもつながりかねない。調整の成否が注目される。